keiko nakajima youtube channel
沈丁花の花 / チェコ音楽祭日本の歌Live1 / チェコ音楽祭 中嶋恒雄歌曲Live2 / 今はわかるの
プロフィール
ソプラノ。 山梨大学教育学部音楽科卒業。 1999年、ミラノ音楽院に在籍しカルラ・ヴァンニーニ、マルゲリータ・グリエルミ女史のもとで学び、中嶋恒雄と共に発声法を研究する。リサイタル、ジョイント・リサイタル等で演奏するとともに、中嶋恒雄の歌曲作品を数多く初演する。2004年、プラハ・スメタナ博物館ホールとウィーン・ヤマハホールでチェコの女流ピアニスト・ユリア大梶とジョイントリサイタルを開催し、好評を博す。 2012年チェコの現代音楽祭に出演。 |
2012年10月15日
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演奏会記録 社)日本歌曲振興会 アンデパンダン 2008.5.31 於 jasracけやきホール「ここを過ぎて泣け」 詩:狩野敏也 中嶋恒雄・啓子日本歌曲の世界 2006.10.20 於 銀座王子ホール
2006.05. 三鷹芸術文化センター風のホール 録音 |
近年、歌曲を書き出してから自分の歌をどのように歌ってもらうかという観点から、声楽の発声法について関心をもつようになった。周知のように桐朋の音楽教育が戦後成果をあげたのは、単に練習を沢山積めばそれが成果につながり、後は本人の才能次第という経験主義が否定され、そこに分析という科学的志向が斎藤秀雄によって導入されたことによる。私は斎藤氏に直接に何年か指揮法をならったが、そこには音楽の演奏技術においても、解釈においても合理的な分析志向の結果としての規則もしくは理論が形成されていた。指揮の演奏技術においては自然落下運動と放物線運動を、腕あるいは手の運動によってどのように体現し拍点を明示するかに眼目がある。そしてこのこつは、自然落下運動においては肩の脱力に、放物線運動においては肘の内側の下膊の筋肉の鍛えにある。この下膊の筋肉は、親指のつけ根から肘関節にいたる広範囲なものとの斎藤門の高弟である高階氏の記述があるが、私の経験的事実から言えば、ただ一点に集約される筋肉である。発声の場合、声帯という発声器官は、ちょうど音叉や小さなリード笛のようにわずかな音量の発声体と考えられる。ここではだれも声帯を身体から取り出してそれを単独に鳴らす実験はできないのだから、推定するしか方法はない。この小さな音量は、音楽に使用するためには、当然、増幅してやらなければならない。音叉の場合、増幅は共鳴箱を使用するか、何か他の物体に当てて強制共鳴を起こす必要がある。声の場合に共鳴箱に相当する物は口腔であり、強制共鳴を起こす物体は頭骨、顎骨、胸骨、腰骨、椎骨などの骨格系である。腰骨が共鳴するかについては最近偶然に発見したのであるが、胸骨の使用などと同じようにこれを意識的に使用することによって、確かに低音域の音色成分が加わることを認知した。さて、声が声帯の振動によって起こされるとしても、声帯を駆動する力はどこから来るか。もちろん呼吸器系の器官から来る。しかしそれではその呼吸器官系の器官を運動させる力はどこから来るか。それは横隔膜の運動による。それではその横隔膜を動かす力は?これは意志による生命の力とでも言うより仕方あるまい。けれども新興宗教でもない限り生命の力のような説明は私達の知性が抵抗する。しかしこの生命の力を具現する筋肉の根源もしくは意識の点として古来からチャクラという身体の場所が知られている。そしてチャクラには七つの場所があるが、第六のチャクラスワディスターナは、恥骨の三センチほど上に位置して横隔膜の運動をコントロールすることのできる意識点であることが、何年かの試行錯誤の結果として分かってきた。このことは従来の発声や、管楽器の呼吸においては一般にみぞおちのあたりに意識をおいてその周辺の筋肉を働かせるが、それよりはずっと低い位置であり、古来から臍下丹田といわれる場所よりもさらに三センチほど低い。常識的に考えてもテコは長いほど楽に働くものであり、このスワディスターナチャクラを活用してのより有効な発声の体系を考えることが現在の私の夢のひとつになっているのである。
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